・ISO15189とは

ISO15189とは臨床検査室の品質と能力に関する国際規格を指します。そもそもISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称であり、貿易やサービスの交換において国家間でばらついていた規格を世界で標準化することで国際流通における品質や技術の保証を裏付けすることにより、より活発な貿易や技術的な国際間活動協力を助長させる等の役割があります。ISO15189は言わば国際共通規格の臨床検査室版であり、当規格の認定を受けている施設で提供される検査結果は、国内の他の医療機関だけでなく、他国の医療機関においても国際的に保証され信頼のあるものとして使用することが可能となります。
 

・当院のISO15189の歩み

現在日本においてISO15189を取得する病院や検査センターが増加しています。ISO15189は品質マネジメントシステム(検査室や検査結果の質を管理するために必要な仕組みや管理方法)の要求事項と臨床検査室が請け負う臨床検査の種類に応じた技術能力に関する要求事項の2つで構成されており、当院においてもISO15189取得に向けてこれら要求事項を満たすための手順や仕組みを構築してそれらを規程やSOPなどへの文書化、記録物の管理、ISOへの理解を深めるための部門内勉強会を行うなどの準備を進めてきました。実際にこの仕組みで検査室を運営してみてその中で生じる問題点、また施設内部監査を行うことによって洗い出された不適合事項などに対してPCDAサイクルを用いた改善活動を繰り返すことにより、検査科においては2019年、病理診断科においては2022年にISO15189認定を取得いたしました。
ISO15189は認定取得がゴールではありません。これらを維持管理するために継続的な改善活動を実施しながら、精確な検査結果を臨床に提供することで患者様のQOL向上の一助になるような検査室であるよう努めてまいります。
 
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