カプセル内視鏡とは?

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カプセル内視鏡とは、飲み込むだけで検査ができる内視鏡です。薬のカプセルよりも少し大きなカプセル内視鏡(長さ26mm、幅11mm)を飲んだのち、カプセルが消化管の動きによって徐々に進みながら、1秒間に2枚ずつ撮影していきます。7~8時間にわたり計5万~5万5000枚の画 像を撮影し、腰に取り付けたレコーダーに記録します。これを検査後にコンピューターで動画として解析します。患者さんの負担が少なく、小腸全体を観察することができますが、食道や胃、大腸は十分に観察することはできません。小腸にたまっている内容物の影響や、撮影時間に限りがあるため、小腸の奥のほうを観察できないこともあります。また、組織検査のため一部を採取したり、治療することはできません。検査費用は3割負担の被保険者で約3万円です。 写真はカプセル内視鏡の画像です。

目的

現在、カプセル内視鏡は、消化管からの出血が疑われる患者さんについて行われています。小腸全体を観察できるようになり、これまで見逃されてきたびらんや血管異形成など小病変の検出が可能 になっています。また、関節リウマチの治療でよく飲まれる消炎鎮痛剤や、心筋梗塞(こうそく) 予防の低容量アスピリンが小腸の粘膜を傷つけていることも分かるようになりました。

方法

検査前日まで

検査前日の夕食は、午後9時まで済ませてください。それ以後は、透明な水分のみ摂って下さい。 鉄剤は、1週間前よりやめて下さい。喫煙は、粘膜に影響を与え診断に悪影響を与える可能性がありますので、おやめください。 また、便秘の強い方は、あらかじめ下剤や消化管の動きをよくする薬を内服していただきます。なお、そのほかのお薬を飲んでいらっしゃる方は必ず医師に相談下さい。

検査当日

検査当日の食事は控え、体を締め付けない、ゆったりとした上下別々の服を着用して来院下さい。 問診、説明の後、同意書にサインをして頂きます。その後、粘着パッドでおなかにセンサーを装着し、レコーダーを腰のベルトに固定します。そして、水とともにカプセルを飲んで頂きます。ほぼ2時間後より水を飲むことができ、4時間後には軽い食事もできます。検査は通常午前9時ころに開始し、8時間後の夕方5時ころに装置をはずします。その間、普通の生活をして頂いて大丈夫で す。カプセルが小腸を最後まで通り抜けるように、軽く歩く事をお勧めします。

検査に関する注意事項

消化管に狭窄がある場合はカプセルが通過しないため、検査を行うことができません。現在、腸の 疾患のある方や、腹部手術などの既往のある方はあらかじめご相談ください。検査中は、MRI検査やアマチュア無線など、強力な電磁波があるところには近寄らないようにし、ベルトや機器を取 り外さないで下さい。激しい運動や、かがんで腰を曲げるのもなるべく避けて下さい。万が一、腹痛、吐き気、嘔吐などがありましたら、直ちに連絡をして下さい。またレコーダーの上部に付いている小さいライトが点滅していますので、時々確かめて下さい。もしライトが点滅しなくなった場合、時間を書きとめてすぐにご連絡下さい。検査後は、カプセルが便とともに排泄されたかを報告 していただきます。排泄を確認できない場合には、おなかのX線写真を撮影して確認します。2週 間経過しても排出されない場合、原因として腸の中に腫瘍や潰瘍などで、狭窄している病変があるためと考えられ、病変の治療およびカプセルの除去のために小腸内視鏡あるいは手術を行うこともあります。