当院での取り組み
             

 

乳がんとは  
当院での取り組み
 

(1) 頭部冷却療法による抗がん剤治療(化学療法)時の脱毛軽減
当科では抗がん剤の副作用による脱毛を軽減する頭部冷却療法を実施しています。女性にとって髪は特別な価値を持ちます。ただでさえ、乳がんの手術でボディイメージを損なわれて傷ついていらっしゃる方が、さらに脱毛という二重のダメージを負うことになります。当科では頭部冷却装置を導入し、脱毛軽減に取り組んでおります。術前・術後の抗がん剤治療を行うと通常100%かつらが必要になりますが、頭部冷却によってアンスラサイクリン系薬剤では約30%、タキサン系ではほぼ半数の方がかつら不要となります。
主として術前・術後化学療法の方が対象となりますが、進行・再発症例の方も条件によっては実施できる場合もあります。
なお、頭部冷却療法にあたっては、当センターでは特別な費用はいただいておりません。

診療手順 治療法:術前化学療法へ >>


(2) センチネルリンパ節転移陽性例に対する腋窩郭清省略
センチネルリンパ節転移陽性例に対する腋窩郭清省略に取り組んでいます。
乳がんの手術ではセンチネルリンパ節という最初に転移を起こすリンパ節のみ選んで摘出するセンチネルリンパ節生検を行います。以前は転移がなければそのまま、転移があれば追加で脇の下のリンパ節をすべて取る「腋窩郭清」を行っておりました。ただし、腋窩郭清をすると一定の割合で腕がむくむリンパ浮腫を合併します。しかし、欧米ではセンチネルリンパ節の転移が2個までなら腋窩郭清を省略しても治療成績が変わらないことが証明されたため、転移があっても郭清を省略するのが一般的です。一方、日本ではまだ腋窩郭清を行っている施設がほとんどです。当院では、センチネルリンパ節転移陽性例に対する腋窩郭清省略の安全性を確認する臨床試験を行っており、みなさまに新しい治療を提供いたします。
ただし、手術前から転移がわかっている方は腋窩郭清を行った方がよいのでご注意ください。


治療法:センチネルリンパ節生検 >>

(3) 化学療法の副作用としてのしびれ(末梢神経障害)予防のためのフローズングローブ・ソックス
ある種の抗がん剤では手足のしびれ(末梢神経障害)をきたすことが知られており、パクリタキセルでは5年以上にわたり遷延することがわかっております。当科ではしびれを軽減する効果のあるフローズングローブ・ソックスを使用することによってつらい副作用を和らげる対策を講じております。また、冷却以外に手袋、弾性ストッキングにより圧迫することも有用であるとの報告があり、希望者では圧迫療法も行っております。

 

(4) 遺伝性乳癌の検査と予防的(リスク軽減)手術
アメリカの女優であるアンジェリーナ・ジョリーが遺伝性乳癌の遺伝子異常を持ち、予防的に乳腺全摘を行ったことが公表されてから一気に認知度が高まりました。
乳がんを発症しやすくなる遺伝子異常の代表的なものとしてBRCA1とBRCA2の異常が知られています。これらの遺伝子の働きが低下する、もしくは機能しなくなるような異常をもっている方は生涯で乳がん・卵巣がんにかかる確率が非常に高くなります。
遺伝性乳がんを疑う要素として以下の6項目のいずれかに当てはまる方は保険診療として検査を受けられます。①45歳以下の乳がん、②60歳以下のトリプルネガティブ(ホルモン陰性かつHER2陰性)乳がん、③2個以上の原発性乳がん、④第3度近親者内に乳がんまたは卵巣がんの家族歴を有する乳がん、⑤男性乳がん、⑥卵巣がん、卵管がん、腹膜がん。 当院では遺伝外来も併設しBRCA遺伝子検査を行える体制が整っております。ご希望の方は診察時に担当医へご相談ください。



 
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