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腎移植

KIDNEY TRANSPLANT

レシピエント・ドナーの条件

生体腎移植レシピエントの条件

生体腎移植をうけるためには日本移植学会のガイドラインで定められた以下の4つの基準をすべて満たさなければなりません。

  1. 末期腎不全であること
  2. 全身感染症が無いこと
  3. 活動性の肝炎がないこと
  4. 悪性腫瘍がないこと

(1)の末期腎不全とは血液透析をしている患者さんはもちろん、透析をまだ行っていなくても腎臓の機能が著しく低下した患者さんも含まれます。血液透析を導入する前に行う腎移植を、先行的腎移植といいます。先行的腎移植は、透析を導入されてから行う腎移植と比べ成績が良いことがわかっており、近年その割合が増加しています。現在では日本で移植される患者さんの約3割が先行的腎移植を受けています。

(2-4)に関してですが、腎移植レシピエントは免疫抑制剤を必ず飲まなくてはいけません。免疫抑制剤は、体内の免疫力を低下させることで移植された腎臓に対する拒絶反応を抑えますが、その反面、免疫力が低下するため感染症や悪性腫瘍があるとそれらが悪化する恐れがあります。
よって移植を受ける方は事前に感染症や悪性腫瘍の有無を入念にチェックする必要があります。

(1-4)の条件を満たし、さらに手術を行うのに十分な心臓の機能や、呼吸機能を保持しているか、免疫抑制剤を規則正しく内服できる患者さんであるかどうかなども大切な条件となります。

それからよく質問されることですが、血液型が違っていても問題なく腎移植は行えます。血液型の異なったペアーの移植(血液型不適合移植)も日本で行われる移植の約3割を占め、免疫抑制療法を強化することで、血液型が同じペアーの移植(血液型適合移植)と同等の治療成績が得られています。

生体腎移植ドナーの条件

生体腎移植ドナーの条件生体腎移植のドナーとなるには、レシピエントの親族でなければなりません。日本移植学会の倫理指針では6親等以内の血族、3親等以内の姻族と定義されています。これは配偶者や両親、子供はもちろんのこと、祖父母、叔父叔母、姪甥、従兄弟でもドナーとなれるということです。さらに義理の両親、祖父母、叔父叔母、姪甥もドナーの適応となります。

また腎臓を1つ摘出しますので、腎臓機能が低下している方、腎臓機能が今後低下することが危惧される方(コントロール不良の糖尿病・高血圧をお持ちの方・肥満の強い方)はドナーとなる事ができません。しかし、しっかりと治療を行えばドナーとなることができます。また感染症にかかっている方や癌の治療中や、治療後が終わっていても再発のリスクのある方はドナーにはなれません。レシピエントの条件で述べたように、移植した腎臓を介して感染症や癌がレシピエントの体内に入り込み増悪する恐れがあるからです。年齢に関しては明確な制限はありませんが、全身状態、腎機能などから総合的に判断し75歳+αくらいまでが適当と考えられています。

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