当センターの医療圏は東京都荒川区・足立区・葛飾区を中心に人口約134万人をカバーしており、都内で最も重症患者が発生しています。都内の3次救急車搬送件数は年々増加し、重症患者が途切れることなく搬送されて来ます。現在は新型コロナウイルス肺炎(COVID-19) の患者が多数発生し、感染していない重症患者の受け入れを止めることなく、病院一体となってCOVID-19患者に対応しています。そして救急医療科の精鋭のスタッフが重症初療で命を繋ぎ留め、各診療科の専門医らと協力し重症治療に当たっています。最新の救急医学を取り入れて患者治療にあたるべく、若き救急医達と共に日々研鑽を積んでおります。
当センターの特徴はチーム医療です。救急医と救急看護師を中心に、診療看護師、救急救命士、臨床工学士、薬剤師、栄養士、社会福祉士などの様々な関連部門職員がタッグを組んで救命医療に当っています。救命ICU20床を要し、様々な急性疾患や外傷、集中治療に対応出来る救急医は非常に多忙です。医師も働き方改革の効果もあり、救急現場で活躍する診療看護師や救急救命士の雇用、救急医の事務作業を担う医師事務補助者も配置され、救急医へのサポート体制も充実してきております。多くの初期研修医、医学生、救急専門学校生達もセンターで学びながら、救急診療の補助を積極的に行い、多くの患者さんの救命に貢献してくれています。大変有り難く、そして誇りに感じています。
当センターの診療に特徴として2つの重要な部門があります、集中治療部門、Acute Care Surgery部門です。圧倒的な症例数の中、これら部門の力を結集させ一人でも多くの命が救えるよう運営しています。当院は地域災害拠点中核病院であり、区東北部の災害医療の要としての重責も担っています。大災害時に有効な医療が提供出来るような体制作りにも取り組んでいます。東京DMATの活動もおこなっています。都民の生命に直結している救命救急センターです。今後とも何卒宜しくお願い致します。
令和3年 4月 15日
救命救急センター長・救急医療科部長
庄古 知久