一般の方へ

救命救急センターをご存知ですか?

救命救急センターがおこなう治療

厚生労働省が認可した3次救急施設です。重篤な救急患者を24時間体制で受け入れます。概ね人口100万人に1ヶ所を目標に整備され、都内には26カ所の救命救急センターがあります。通常の救急病院(2次救急)とは大きく違います。

救命救急センター(3次救急) 救急病院(2次救急)
対象患者
  • 重症患者
  • 高度な集中治療が適応で、それを希望する方
  • 中等症以下の患者
  • 通常の救急治療が適応の方。積極的な治療希望のない方も受け入れ
病院選定
  • バイタルサイン等による選定基準がある(希望では搬送されない)
  • 現場から直近のセンターに搬送される(患者が病院を選べない)
  • 最初から3次救急を望まないこと可能
  • 原則直近の選定だが、かかりつけ病院などある程度、患者が希望できる
  • 遠距離の救急病院は原則搬送しない
  • バイタルサインが悪くても最初から2次救急を希望すること可能
集中治療
  • 専用ICUがあり、高度な医療機器で治療
  • ICUがない病院もあり、集中治療は困難。一般的な救急治療を行う
入院ベッド
  • ICUでの治療が原則
  • 個室は希望できない。付き添い不能
  • 一般病床が原則
  • 空きがあれば個室可。付き添い可能
入院費用
  • 高額(入院料は救急病院の約5倍)
  • 予定入院よりは高い入院料
入院期間
  • 専用ICU入院は空床確保のため2週間以内が原則
  • 3週間以内に他の病院に転院が目安
  • 期間の目安はない。理由なく早期退院を促されることはない
  • 回復期病床の病院へ転院することあり
延命治療
  • 集中治療の結果、望まない延命治療に移行せざるを得ないことあり
  • 最初より望まなければ実施されない

以上より2つの病院の違いをご理解ください。
医療関係者の方は、上記表を患者さんへの説明にご活用ください。

患者さんとご家族へ

当センターには新規の重症患者が毎日平均4-5人入院します。そのため病状が安定した場合は治療継続中でも他院に転院していただくことがあります。受け入れ可能な転院先の病院を探すのに大変苦労しているのも事実です。ご希望する転院先が叶わないこともあります。

癌や慢性疾患の末期の方、施設や在宅で寝たきり(要介護5)の高齢者の方は病状悪化の際に救急病院の受け入れ先が決まらないことが多々あります。平時から主治医と相談し、急変時の搬送先を決めておくことが患者さんとその家族のご満足につながると考えます。望まない延命治療がおこなわれないようにするためには、事前の意思表示および主治医との取り決めが非常に重要です。

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